「ゴッホ以外もあってつまんない」みたいなツイートを事前に見ましたが、わたしはゴッホと一緒に絵画を探求していた作家たちの作品をあれだけ貸してくれたハーグ市に感謝します。今我々がイメージするような画家にゴッホがなっていく過程が、展示と丁寧な説明でわかるようになっている。なので、すごくいい展示だなと思ったけどなぁ。「ゴッホ展だって、へー有名だよね、行ってみよう」もいいのかもしれないけど、例えばたまたま来ている人に斜行されたりだみだみおしゃべりされたりするのは暴力じゃないのか、と思う。そこは美だよね。あるいは美術だよ。なんだよお前。みたいな。
なんかねぇ、ゴッホって、「印象派」みたいな、ある程度人気のテーマだと思うんですよ。すさまじい迫力だと思うんだけど、けっこう広く消費されている。俺たちみんなで鈍いのか?
まあいいとして、深度で分類すると
↑ ゴッホをかなり好き
ゴッホにある程度関心がある
ゴッホを含む時代に関心がある(わたしはここからその上にいきつつある)
デザイン、色彩等の観点からの取材
美術館に行くこと自体が娯楽(意外にいらっしゃるのね)
ベストセラーを読む感覚で見る
新聞代払ったらチケットが来たので行ってみる
誘われたので行ってみる
↓ 学校行事で行く
ぐらいの感じなのかなと思っていて、人々は階層間を自由に移動可能である。で、美術展のKPIって、メディカバレッジ(最近はなさそうね)と入場者数とグッズ売上高と、みたいな感じでしょうか。準備はさぞかし大変だろうと思うんだけど。でも、パフォーマンスの深度って誰も測定してないんだと思う。測定しなくていいと思うんだけど(妥当なやり方も思いつかないし)、無駄に体験の質を下げるのはやめてほしいなぁと思う。その意味では、もう伊藤若冲とか、メディアつけなくていいんじゃないでしょうか。言いたいことは、大きいメディアで告知すれば来そうな人はカウントしないでほしい。というか、呼び込まないでほしいです。
そこはだいぶ意見がわかれそうなのでいいとして、ゴッホ展。会場を歩いていたときの感覚は「空前絶後の岡倉天心展」にかなり近かった。ある人が、いまこうだと思われている人物像を作り上げていく過程がわかるような展示。いい展示だなぁと思いました。並び順はたまに左右レベルで「?」と思うところもあったんだけど、それは私がゴッホに詳しくないからなのか、あるいは会場のハードウェア事情に合わせた結果なのか、人の溜まりを計算した結果なのか(これじゃないと思う)・・・
金曜夜間。予想よりは混んでた。けど、従来の日本の展覧会とは違う動き(例:斜行、体当たり)をする人はほぼいませんでした。会場穏やかでよかったです。そしてグッズではカレンダーがよかった。いい選び方だし、印刷もいいなーと。ご家族の趣味があえばお勧めです。
そして、モナコすげーな、やっぱ、というのが思いもよらない発見だった。いやーお金だわ。